■結論 FSRの不満解消!細部までしっかり綺麗に!

ざっくり総評
FSR 3で気になっていた「ザラザラ感」が一気に解消!FSR 4でアップスケーリング品質を下げても細部まできっちり綺麗に出来る!もはやこれまでのFSRとは別物レベル。その代わり若干FSR 3よりフレームレートは下がるが、それを知ったうえでも映像美は圧倒的。
ただし、DLSSと同様にAIを使ったアップリケーリングを行うため、Radeon RX 9000シリーズが必要条件になってしまったことは残念。AI Acceleratorが搭載されているRX 7000シリーズなら後々対応する可能性も無くはないが、現状は不明。

FSR 4ってなんですの??

FSR 4(AMD FidelityFX™ Super Resolution 4)は、AMDが提供する新たなアップスケーリング技術。例えば、4Kモニターでゲームをするために4Kの処理をGPUが行うとかなりの負荷であり、フレームレートが高くなりにくい。そこで、FHDで描画したものを4K相当に「アップスケール」する技術がこの「FSR」である。
アップスケーリング解像度
4K解像度を出力する場合は以下の表のようにアップスケーリングされる。Quality設定ではWQHDから4Kに、Performance設定ではFHDから4Kにアップスケーリングを行っている。
モード | スケール係数(縦横) | 内部解像度(概算) |
---|---|---|
Native AA | 1.0× | 3840 × 2160(元の4K) |
Quality | 1.5× | 約 2560 × 1440 |
Balanced | 1.7× | 約 2259 × 1270 |
Performance | 2.0× | 約 1920 × 1080 |
Ultra Performance | 3.0× | 約 1280 × 720 |
※Ultra QualityはAMDのサイトで提示されていないため不明
https://gpuopen.com/fidelityfx-super-resolution-4/
必要要件
対象GPU:Radeon RX 9000シリーズ
ゲーム側:FSR 3.1以上に対応

FSR 4は最新のRDNA4アーキテクチャで作られたRadeon RX 9000シリーズが必要です。理由としては、これまでのFSRと違い「DLSSと同様に機械学習に基づいたアップスケーリング」を行うようになっため、Radeon RX 9000シリーズに搭載されている第2世代のAI Acceleratorが動作要件である。FSR 3.1まではRadeonとGeForce問わず多くのGPUに対応してきたが、FSR 4に関しては例外である。

面白い点は、既にFSR 3.1に対応しているゲームであれば、ドライバ側からFSR 4に上書きできるという点。そのため、既にFSR 3.1に対応しているゲームであればゲーム側のアップデートを待つことなくFSR 4を使用する事が出来る。
使い方
①Radeon RX 9000シリーズを買ってくる(重要)
②ドライバを最新にアップデートする
③ドライバからFSR 4を有効にする
④ゲーム側でFSR 4を選択する

AMD Softwareを最新のものにアップデートしよう。Radeon RX 9000シリーズを使っていれば、上記のように「AMD FidelityFX™ Super Resolution 4」という項目が現れるため、これを有効にする。
場所:ゲームタブ → グラフィックス → AMD FidelityFX™ Super Resolution 4

ドライバでの設定完了後にゲームをプレイして設定を確認しよう。上記の画像はモンスターハンターワイルズがFSR 4に正式対応する前のスクショである。この時点ではFSR 3.1対応であったが、ドライバからFSR 4に上書きを行っているため表記も「FSR 4」になっているのが分かる。他のゲームでもこのように表記されればOKだ。(現在はモンスターハンターワイルズも正式対応済み)

正式に対応しているゲームであれば、上記のように「FSR 4」が「FSR 3」と個別に表示されることもある。その場合は「FSR 4」を選択すればよい。

検証結果
検証環境

参考に、再びアップスケーリング設定ごとの元解像度を示す
モード | スケール係数(縦横) | 内部解像度(概算) |
---|---|---|
Native AA | 1.0× | 3840 × 2160(元の4K) |
Quality | 1.5× | 約 2560 × 1440 |
Balanced | 1.7× | 約 2259 × 1270 |
Performance | 2.0× | 約 1920 × 1080 |
Ultra Performance | 3.0× | 約 1280 × 720 |
MARVEL RIVALS
FSR 4設定別の映像品質
4K解像度をネイティブ4K出力とFSR 4でアップスケーリングした出力と比べてみよう。
FSR 4の設定を下げても、かなり綺麗な映像になっていることが分かる。これならBalance設定でも十分満足できる品質だろう。詳しくは、以下の画像の通り。

左:ネイティブ4K 右:FSR 4(Quality)
黄色い枠の中を拡大してみても、違いがほとんど分からないレベルに進化した。
■FSR 4の設定別比較



FSR 4はPerformance設定にしても、輪郭が破綻するなど目に見えて分かる違和感をほとんど感じない。一部をかなりズームした所を並べているが、細かな模様などもしっかりと確認する事が出来る。
「FSR 4」 VS 「FSR 3」
FSR 4の方が輪郭がはっきりした映像になっていた。FSR 3も綺麗だが、どうしてもボヤけた鮮明さに欠ける映像になってしまっている。詳しい画像は以下の通り。

左:ネイティブ4K 中央:FSR 4(Quality) 右:FSR 3(Quality)
ズームした所見ると分かるが、FSR 3の場合は輪郭が少しザラザラしたり、細かい模様が潰れてしまっている。こうして比べるとFSR 4で大きく改善されていることが分かる。

キャラの一部をズームしてみる。FSR 3は輪郭がボヤけており、鮮明さに欠ける。だが、FSR 4の場合は輪郭の線がクッキリ出ていて、鮮明な画像になっている。その代わり若干ジャギーが目立つが、ここまでズームしなければ気にならない。
■FSR:Quality設定比較

やはりFSR 4の方が輪郭がしっかり出ている。FSR 3は若干ぼやけた映像に。
■FSR:Balance設定比較

Balance設定でもFSR 4は輪郭がはっきり出ていてNativeと並べても違和感がない。FSR 3の場合は髪の毛の輪郭などがボヤけており、Native並みとは到底言い難い。
■FSR 4とFSR 3の設定別比較



やはり、設定でもFSR 4の方が輪郭がはっきりでて鮮明な映像になっている。特にPerformance設定ではかなり差が出ており、オブジェクトの模様などがハッキリしない。FSR 4と比べると中間色でごまかしている感じが強くなってしまっている。
フレームレートへの影響

映像は綺麗だが、その分処理が複雑になっている。そのため、FSR 4の方がFSR 3より若干フレームレートが低い結果となった。ただ、それを知ったうえでも余りある映像美がFSR 4にはある。
Call of Duty: Black Ops 6
■FSR 4(Quality) VS FSR 3(Quality)

紙に書かれている文字がFSR 4の方がハッキリしているが、FSR 3は滲んだようになっている。

手元の銃に関しても、鮮明さには大きな違いがあり、これはプレイしていても分かるレベル。

FSR 3特有の影がザラザラする現象もFSR 4でかなり改善されており、映像全体の違和感が消えている。

サイトから標的を除いた時。標的の輪郭がFSR 4の方がハッキリしており、距離を示す「50」の数字もFSR 4がハッキリ見える。

更に奥の標的を見てみる。「100」の文字が見えるが、FSR 4の方が明らかに綺麗であり、FSR 3は文字同士がくっついているように見える。
モンスターハンター ワイルズ

おまけにMHWsで過去に撮影したデータも載せておく。(当時は正式対応となっていなかったため、カプコン側に迷惑が掛からないよう動画内から掲載を取りやめた内容)
黄色い枠をズームしてみる。

植物の輪郭が明らかにFSR 4の方が綺麗になっていることが分かるだろう。MHWsをFSR 3でプレイしていて「なんかハッキリした映像じゃない」と感じた事があるならこれが原因。FSR 4ではこれが一気に改善されて、鮮明さがかなり良くになっていたので是非試して貰いたい。


まとめ
良かった点
・FSR 3から一気に鮮明な映像に
・FSR 3.1対応ゲームなら、ドライバからFSR 4に上書きできる
気になった点
・Radeon RX 9000シリーズのみ対応
・フレームレートはFSR 3より若干下がる
・フレーム生成はFSR 3のまま
コメント
ブログ更新お疲れ様です💪✨
FSR4は3に比べて映像の破綻がものすごい少なくなって印象です!!
FSR3はちょっと環境によっては不都合が多かったんですけど。
FSR4はネイティブに近い鮮明さを出せるようになってて感動しました!
これから4k解像度とか当たり前になってくることを考えるとこういう技術で快適になってくといいですねぇ…
これからも動画とブログ楽しみにしてます( *´꒳`* )